Inter-cloudの検証(NEAOSSフォーラム)

2015/04/01

プロジェクト名

Inter-cloudの検証(NEAOSSフォーラム)


プロジェクト期間

2015年4月~2015年10月

 

■プロジェクト概要 

本検証ではNEAOSSフォーラム(北東アジアOSS推進フォーラム)の枠組みにてInter-cloudの検証を実施する。

 

データセンタ内のリソースから、利用者がいつでも必要な数の仮想サーバを取得できるということが、クラウドの利点としてあげられる。1つのデータセンタのみを使用していると、停電や災害などの障害が発生した場合にサービスの提供が困難となる。

解決策の一つとして、地理的に離れた複数のデータセンタをまたがってクラウドを利用し耐障害性を高める方法がある。このように複数のクラウドをつなげてクラウドを利用する分野はInter Cloudとよばれている。

本プロジェクトでは、Inter Cloudを構築するための実現技術がいくつかある中で、オープンに利用可能な「CompatibleOne」、「OpenStack Cascading Solution」を検証対象として取り上げそれぞれの比較、検証を行う。

 

 

■プロジェクトの背景

本プロジェクトの名称であるNEAOSSフォーラムについてまずは説明する。

 

日本国内の情報システムの利用者、ベンダ、有識者で構成されOSSを活用するなかでの課題を議論し、課題解決に向けて取り組みを行う日本OSS推進フォーラムという組織がある。中国、韓国にも同じようなOSSを推進する、中国OSS推進連盟、韓国OSS推進フォーラムという組織がある。北東アジアOSS推進フォーラム(North East Asia OSSフォーラム:NEAOSSフォーラム)はこの3つの組織で構成され、各国の企業・研究機関と連携体制を築いている。

北東アジアOSS推進フォーラムの組織図を以下に示す。

 

 東アジアOSS推進フォーラムは、技術開発・評価、人材教育、標準化・認証研究、適用推進の4分野のWorking Groupに分かれて活動している。Inter Cloudを実現する技術である「CompatibleOne」、「OpenStack Cascading Solution」の検証、ユースケースの検討は、Working Group1の枠組みの中で検証する。Working Group1のメンバには、CompatibleOneの利用を促進している韓国の政府系研究機関ETRI、OpenStack Cascading Solutionの開発を行っているHuaweiが参加しており、沖縄オープンラボは両者と情報共有を行いながら、検証とユースケースの検討を進める。

 

 

■研究内容

本研究では、日本、中国、韓国の三カ国の各環境を、インターネットを介してVPN(Virtual Private Network)の技術を使って接続した。その上で各国でCompatibleOne、OpenStack Cascading Solutionという2つのInter Cloud技術を使った環境をそれぞれ作成して、検証を行っている。

 

CompatibleOneは、複数のクラウド基盤を統合して利用するCloud Service Providerの機能を持つOSSである。OpenStack、AWS、Azureなどを統合して利用する。

 

 

OpenStack Cascading Solutionは複数のOpenStack環境を統合して、利用するための Solutionである。親のOpenStack環境を用意し、子のOpenStack環境を統合して利用する。

 

CompatibleOneとOpenStack Cascading Solutionは、それぞれ特徴があり、ユースケースも異なる場合がある。

 

検証環境の構築後、OpenStack Cascading Solutionを利用したユースケース案を検討した。今回構築できたInter Cloudの環境は、日本と中国で地理的に離れていることが特徴である。地理的に離れた場所のクラウドを利用するメリットは、障害発生時にサービス提供を継続可能なディザスタリカバリ機能があげられる。例えば、商用で使用している重要なマスタデータを地理的に離れた複数のデータセンタ間でレプリケーションして保持しておく。災害や停電が発生時に被災していないデータセンタにデータ参照先を変更することで、事業者はサービスを提供することが可能となる。

 

■成果

Inter Cloudの検証環境構築

日本と韓国のOpenStack環境を統合するCompatibleOneの検証環境を構築した。

 

 

日本と中国のOpenStackを統合するOpenStack Cascading Solutionの検証環境を構築した。

 

 

ユースケースモデルの構成

今回検討したユースケースではWeb ServerとDataBase Server(以下、DB Server)のペアを日本と中国のOpenStack環境上に構成し、DB Serverは、日本と中国でデータをリアルタイムに同期させHigh Availabilityな設定とした。

 

障害発生前の通常稼動では日本のWebServerは、日本のDB Serverを参照し中国のWeb Serverは、中国のDB Serverへアクセスする。

 

 

障害発生後は、WebServerは障害が発生したDB Serverを参照させず、通常稼動しているDB Serverに参照先を変更する。

 

日本、中国間のOpenStackの接続は、親のOpenStack(Cascading OpenStack)上で仮想ルータを作成し、その仮想ルータを経由して日本と中国の仮想プライベートネットワークを構築した。

 

検証結果

検証環境構築後、日本と中国のそれぞれのWeb Serverのコンテンツをブラウザから参照・更新を行い、日本と中国のそれぞれのDB Serverより情報の取得・更新が行われることを確認した。

 

また、障害発生を擬似的に行うために、日本のDB Server停止させ、日本と中国のそれぞれのWeb Serverのコンテンツをブラウザから参照・更新を行い、障害が発生していない中国のDB Serverより情報の取得・更新が行われ、耐障害性が保たれていることを確認した。

 

 

■課題・今後の取り組み

北東アジアOSS推進フォーラムでは、Inter Cloudのユースケースについて掘り下げて検証をしていきたいという話があがっている。アプリケーションやシステムソフトウェアの分野でコンテナのDockerやビックデータ解析などを利用する案がある。また、OpenStack Cascading Solutionは開発としては中断され、冗長性について機能強化をされたTricircleというプロジェクトで開発が行われている。今後Inter Cloudの検証を行うにあたり、Tricircleを対象とすることが有用であると考える。

 

■成果報告

【平成27年度 沖縄オープンラボラトリ活動報告会】
日時:平成28年2月5日(金)10:00-17:00
会場:沖縄IT津梁パーク 1F プレゼンテーションルーム(沖縄県うるま市)

 

成果報告資料

 

 

 

 

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